
単体だと駄作だが…
俺にとってのMinistry初のアルバムだった。理由は単に安かったから。
エディター・カスタマーレビューを見るに、ネガティブでインサニティーな曲だと思い、期待して聴いた。
しかし、期待は裏切られた。
ハイテンポでなし。
ヴォーカルが聴きずらい。
音響も小さい。
即刻売りとばそうかと思ったが、2.BurningInsideがマシに思えたので、この値段だし一曲でも気に入ればいいかと妥協した。
今思えば、スラッシュな音だと勘違いしていたんだな。
しかし、他の作品を買っていく度に、いや、Ministryという歴史背景を知る度に最高のグループ(現一人)なんだと惚れていった。
現に、俺がここまでハマッたグループは、いない。
ふと、この作品を思い出し、棚の奥底にしまってあったのを取り出した。
ジャケットのドクロが含み笑いで、こちらを見ているように思えた。
まるで、こうなることを見据えているかのようだった。
要するに、玄人好みのいぶし吟味な作品である。
だから、これだけつまんでもワケの分からない作品となってしまう。
初めての場合は次作や最近の作品と一緒に買った方が楽しめるだろう。

危ういバランス
次作Psalm69でその攻撃性をストレートに表現していますが、本作では変化球的な音が目立っていると思います。何と言うか…アルバムの流れは次作の方が良いと思います。次作の統一された空気を持った曲群に比べると、多彩な曲が同居しているためにちょっとゴタゴタしてる気がします。しかし1曲1曲で見ると、技巧的でかなり凝った曲が多く相当愉しめます。1.は録音機が怨念や怒りを持って収録した音を組み立てたような、人間味をまったく感じさせない曲で、畏怖すら感じさせる傑作だと思います。2.はそこまで徹底していませんが、人間が叩いているとは思えない複雑なドラムに(実際に人の手で叩かれているのが信じられません)計算されたギターリフが繰り返され、怒号のVoが乗る凶暴な曲です。この2曲の圧倒的な存在感に押され気味ですが、7.はゲストVoを招き、随所にガラスの割れる音などのサンプリング、重量感のあるビートが強烈で、これにもハマリました。

HASH(0x84ea470)
名盤と名高い次作『詩篇69』だが、いささかへヴィーメタルへと傾倒しすぎた感が否めない。今作までがインダストリアルユニット『ミニストリー』として、ギリギリの範疇だという見方も少なくないのは当然だ。このころのミニストリーは、まさに向かうところ敵なしとでも行った状況で、ひたすらアッパーなネガティヴィズムが渦巻いている。これほど攻撃的なエネルギーを宿した作品は珍しいだろう。