
Sheath
奥底の憶。
割き切った無垢の花は痙攣を続ける。
生涯その旨を話さぬように。

7年モノは半端じゃないぜ
不必要な贅肉は片っ端からそぎ落としたけど、油の乗った部分はしっかり残したようなアルバム。
時折、電磁波の嵐が吹き荒れるような荒々しさを見せたかと思えば、それが過ぎ去った後には何事も無かったかのように進行する楽曲群は、作り込まれているけど難解ではなく、聴きやすいけど薄っぺらくない、といった感じでしょうか。
ボーナストラックを含めても1時間にも満たないものの密度は高く、聴き終えた後には心地よい倦怠感が残ります。
脅迫的なまでに心拍数を高める“Freak”がシングルカットされていますが、個人的には2曲目の“Mum-Man”が好き。
突然音がうねり出す瞬間はいつ聴いても鳥肌が立ちます。
何気にスタイリッシュなジャケットも魅力。

フロアが狭くってしょうがない。ので超越。
まず、相変わらず挑戦的なジャケットがワープらしくて良いな。
ベルひとりで帰還した訳だが、
LFOテイストを失うどころか、
それを踏襲しつつさらに歩みを進めているのだから驚きだ。
基本的にかなりシンプルな構造で、
音そのものの強度で勝負している印象。
その分研磨(しすぎないけどその加減も含めて)は半端ではないし、
次々に襲いかかってくるので、半分思考停止状態で聴き終えた。
53分、リスナーを問答無用で彼方の世界へ拉致るマーク・ベル、
やはりただ者ではない。
素直に喜ばしい。おかえりなさい。
って、このレヴューもリリースから4年空いてんだけど。
追伸。一度聴いて駄目だと思っても、5年は売り払わないで持っていてほしい。
ふと聴き直してびびる時が来るかもしれないから。
特にワープ周辺は、目先のことばっか考えてる連中ではないしな。
LFOのファーストで一度失敗したたぬきのご忠告。

More Advance!!
LFOが帰ってきた。しかし今回は、マーク・ベルのソロ(一応名義はLFO)となって帰ってきた。13年かけてたった3枚のアルバム。いや、3枚出しただけでもたいしたものなのか。1stアルバム「LFO」では「ブリープ」と「ワープ」を世界へと知らしめた。その後のワープはご存知の方も多いだろう。イギリス、いや世界でも類を見ないテクノレーベルになったワープ、その後、紆余曲折の時期を迎えながらテクノの大きな転換期(1994年前後)の中、彼らはシングル「TiedUp」、2ndアルバム「Advance」をリリースし、これによって、改めてワープの方向性を定める音を世に知らしめた(この前後でオウテカ、R&Sより移籍したAphexTwin、ワープの音源だけでミックスされた「ブレッグ」など、後に「エレクトロニカ」といわれる体系を確立することになる)。その後は、マーク・ベルはビョークなどにも楽曲を提供し、ソロでの活動を経て、また混沌としたテクノ界に新たな「Advance(前進)」をこのアルバムでもたらしてくれた。布石はあった、突如として「LFO」シングルのレコードリリース(混同されると困るので一応説明するとアルバム「LFO」の中の「LFO」という曲である)リリースの時点(2003年春)でLFOは過去のもの、マーク・ベルの名前だけが一人歩きしていた(歩みの程度はともかくとして)。「なぜ今頃」という感想だったが、完全なこのアルバムのためのプロローグでしかなかったのであった。フロア向けかどうかということを気にする以前にさらに前進したLFOサウンドを体感してみるといいと思う。数年後、これがスタンダードになるかもしれないのだから。

なんか凄い!
最近のWARPを代表するアーティストの作品は、オウテカにしろエイフェックスツインにしろあまりにも先鋭的で難解過ぎ、一般のリスナーにとっては敷居が高い存在だと思います。このLFOの3rdも先鋭的な部分は随所に感じられますが、先述のアーティストと比べればはるかに聞きやすく、そういった意味ではとっつき易い存在です。シンプルな分、音のインパクトや存在感が際立ち、鳥肌の立つような衝撃が度々訪れ、純粋に“凄さ”を感じます。